2010-07-11
加水分解
文字どうり、水 「H₂O」(-OH,-H)が付加し、その結合が切れることをいいます。
米など、デンプン質を口の中で噛み砕いたときに甘く感じますね。それは、唾液のなかに含まれるセルロース分解酵素(ジアスターゼ)によって、デンプンが分解され、ブドウ糖(Glucose)になるからです。
その他にもいろいろな加水分解は、ありますが。
ベンゼン核(ここに構造式をかけないのが残念ですが) これに-COOH(カルボキシル基)、-OH(水酸基)の両方を持ち合わせた化合物を、サリチル酸といいます。
-COOHの部分をメチル化すれば、-COOCH₃となり、これをサリチル酸メチルといいます。どこかで聞いた名前ですね。スプレーあるいは塗り薬の、サロメチールのことです。
-OH の部分を、酢酸によりアセチル化(-OCOCH₃)すれば、アセチルサリチル酸。これが、アスピリンです。
欧米人は、この薬剤を気分がすぐれない等のときによく飲むようですが、これも解熱鎮痛薬です。
最近の解熱鎮痛薬に、ロルカム等「高温多湿を避けて保存してください」と注意書があるものがありますが、それはたぶんアスピリン系の解熱鎮痛薬と思われます。
湿度(水)があるとアセチル化された、その部分の結合が切れ、加水分解してしまうからです。
ですから、古くなったアスピリン系の解熱鎮痛薬を飲むときに、酢酸臭がしたならば、それは飲まないほうがいいでしょう。分解されている証拠ですから。
効かないと思います。
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